ソリューションドリブンな僕と、イシュードリブンな部長
概要
現在データアナリストとして、PMの意思決定をサポートしユーザーが利用する際にどこでユーザーが離脱していてその原因がなになのかを仮定し検証する仕事をしています無い内定の神奈川の大学生です。
自分で起業をし、ソリューションドリブンで失敗に失敗を重ねた経験から学んだことをブログに書いております。内容は、未熟なものかもしれないのでご了承ください。
背景
こんにちは、みなさん!
職種や業界関わらず、仕事先やサークルなどで「このアイデアいいね!実装してみよう!」というような場面がたくさんあると思います。
人はいろんなところでこういった、たくさんの意思決定をしていると思います。その意思決定が個人に関するものであれば深く考える必要がないのですが、複数の利害関係者が含まれる意思決定になるとみんなが納得する必要性が出てきます。
そんなときに、どのようにしたらみんなが誰かの意思決定を適切だと受け取れやすくなるのか僕なりに整理したものを共有してみようと思いました。
目的
このブログでは、あなたのアイデアをチームに共有する際に、チームが適切な意思決定だとおもえるように思考を整理するフレームワークを共有し、みなさんの意思決定が世の中に反映されることを助けることができれば嬉しいです。
*ここでいうアイデアの定義は、社会でよく使われるアイデア(仮説に近いもの)という前提でお話をします。アイデアの定義について議論したい優秀な文系の方は、他のブログか人を紹介します。(たくさんいるので、遠慮しないで大丈夫です。)
僕自身そこでまで言語で思考を整理するのがうまくないので、わかりにくかったり整理されていない文章かもしれないので、ご了承ください。
説明はできるだけ簡単な具体例で共有していこうと思います。
*抽象で抽象を理解したいとかいう純粋数学が好きな優秀な理系の方は、見てるブログが違うので大学生が書くブログではなく教授が書くブログをどっかで見つけてください。
「ソリューションドリブンな僕と、イシュードリブンな部長」
あなたに、あなたが所属している大学のサークルの新人勧誘で、サークルの入会者数を2倍増やしてくださいというアイデア出してくださいと部長から言われたとします。
あなたは、あなたの同級生5人とどういう風に勧誘すればサークルの入会者数が増えるのかアイデアを出し合います。
一度考えてから教えてください
1、どういうアイデアを述べましたか?
2、そしてなぜそれが適切といえるのですか?
(5分...)
ではアイデアを部長に共有する僕の例を見てみましょう
部長:”あなたのアイデアを共有してください”
僕:”ぼくは、ダンスサークルのチラシを配りたいと思います。”
部長:”いいね!!けど、なんでそれがダンスサークルの入会者数が増えるといえるのだろう”
あれ、部長は府に落ちません。なぜだろう?
ポイント1:
まずここで忘れてはいけないのが、なぜあなたがそのアイデアを選んだかの理由です。その理由を共有しないと相手も納得してくれません。
部長:”どういう理由でそのアイデアがいいと思いましたか“
僕:”なぜなら、去年よりおおくのチラシ配ることでより、いままで認知されていなかった多くの人に認知してもらえるからです”
部長:”うーん、なんでそれが言えるのかな? どれいくらいの人が認知してくれていて、どれくらいがしてくれていないのだろう。“
部長はそのアイデアの理由を聞いてもすぐに賛成できません。
部長は、なんで認知をしてもらうことが入会者数の増加につながるのか納得していません。
じゃあ、どうすれば納得するのか?
例えば、
「去年は3000人の新入生がいる、3人でチラシ配りをしていたため1000人の新入生にしか声をかけれませんでした。」
これで、入会者数が少ない原因がここにあって、この原因を改善してあげることで増加が見込めるというのを数字で明確にしてあげます。
僕: “去年は3000人の新入生がいる中で1000人しか声がかけられていません。今年は、3000人中2000人に配るため、6人でチラシ配りを行いたいと思います。”
部長: “たしかに、そうすれば2倍の労力で2倍声をかけるから去年の2倍の入会者数が見込めるな。ただ、本当にそれが一番のアイデアなのかなー”
しぶとい部長ですね。こんな部長いやですね。けど、やっぱりみんなの意思決定みんなが納得しないといけないという責任感があるんですね。仕方がないです。もっとより納得しやすいように整理してあげましょう。
部長がなぜ賛成できなかったかわかりますか?
まず一つ言えることとして部長からすると、他にもいろんな原因があるかもしれないのに、一つの原因だけをみてアイデアを出したということです。
原因は一つとは、限りません。
他にも、新入生がチラシをもらわなかった原因を仮定して出してみましょう。
そうすると、各原因に対してさらにさらにアイデアが出せます。
青で囲った部分がアイデアになります。
こいつらを仮説といって、ブレストなどしてアイデアを集める際は、この原因を軸にしてあげると論点から外れずにGoodなアイデアを出せますね。
*ちなみにこれ、会議の生産性がめっちゃ上がります。目的や軸を明確にすることで論点から脱してしまう人を救ってあげることが容易になります。
僕:”部長!たくさんのアイデアを思いつきました。全部実行しましょう!”
部長:”たしかにこれを全部実行したいが、我々は時間と人があまりなくて全部をすることは現実的に難しいかもしれない。優先順位をつけ、優先度のたかいものから取り組んでみたらどうだ?”
僕:”たしかしたかしくん”
どのようにしたら優先順位を付けられるでしょうか?
今の状態だとどのアイデアが一番優先順位が高いかを比較できません
ここで我々の目的に振り返りましょう。
「できるだけサークルの入会者数を増やしてください」
じゃあ、どうすればこの目的を達成するために近い行動をとれるのか考えてみましょう。
原因を改善したときに、できるだけチラシをもらう人の量が増える順に原因を改善したくないですか?
じゃあ、チラシをもらっていない人がどこに不満(ペイン)を抱えていてチラシをもらっていないのか、定性調査から割合を出してみましょう。
部長:”おお、チラシをもらわない理由は、実は認知してないのではなくてチラシのデザインに原因があったのか!、すごい発見だよ。ここを改善することでMaxで1200人の人がチラシを受け取ってくれるね。”
僕:”たしかに、チラシを配ることよりもチラシのデザインを改善することでもっと多くの人にチラシをもらってもらって入会者を増やすことができる。当初の僕の意見は適切なソリューションを提案できていなかったかもしれないです。”
部長:”けど、チラシをもらっていない人の原因を改善しチラシをもらう人を増やすことで本当に入会者数は増えるのかな?”
そうです。これは、入会者数を増やす目的の(あくまでもチラシをもらう人を増やす目的)の一部のための改善であってその結果がどう目的に反映されるかが大事です。
僕たちは今まで、チラシを認知するところから、入会するまでの現象の一部しか見えていませんでした。
新入生が僕たちを認知するところから、入会するまでの一通りの体験の現象を分解して他にも原因がないか探りましょう。
全体像を去年の勧誘から調べてみましょう。
(去年の勧誘調査中)
去年も同様にチラシを配り1000人が受け取り、見てくれたうちの100人がラインを登録してくれて50人が食事会に参加してくれて20人が入ってくれているのがわかるね。
なんで、最後には1000人から50人に減ってしまったのだろう?
対象となる新入生をチラシをもらうところから入会するまでの各ステージごとにMECEで分解してあげましょう。
*新入生を分解するときに、分解した木の最後の合計が3000になるようにしましょう。(かぶりがないように分解しましょう)。でないと、どこを改善したときにそれがどのように目的(入会者数)に反映されるかわからないので。
そうすると各ステージごとに離脱している割合が可視化されました。
次になぜこのような離脱が各ステージで起きているのか各分解された現象ごと原因を仮定してみましょう。
各現象に対して原因を仮定できました。
そして、最後に各原因ごとにその原因で離脱している割合を書いてあげましょう。
いろんな課題がありますね。ここでやっと取り組む課題が比較できるんですね?
アイデアを比較したりする前に、部長はそもそも取り組む原因(課題)を比較してほしいんですね。そうすることで、優先度の高い課題から改善できるからですね。部長はIssue Drivenでも読んでるんですかねー?なかなかするどい
この全体図があればどこをどれだけ改善すればどれだけ入会者数に反映されるかがわかります。
例えば、ライン登録者を1/10(100人)から2/10(200人)にかえるだけで入会見込み数が2倍になることがわかります。
*専門用語少し入ります
ここから、KPIやKGIの指標を作ってあげるとその指標の全体を把握できてるのでその数字がコンバージョンに対してどのような数字なのか一瞬でわかる。マネージメントしやすい。
賢い方はお気づきだと思いますがここで食事会に来た人から入会しなかった人を20人入会させる努力をすることと、チラシをさらに500人に配る努力がどのような結果をもたらすことになるか考えてほしい。
2000人にチラシを配った認知度の改善 3000×2/3×1/9×1/2×2/5 = 44
20人の食事会の体験の改善 3000×1/3×1/9×1/2×4/5 =44
労力少なく、入会者数を増やせそうなのはどちらでしょうか?
*話がそれますが、グロースハッカーという職種を聞いたことがあると思いますが、グロースハッカとはこのようにいかにユーザーを獲得するかではなく、いかに入ってきたユーザー離脱しないようなUXの改善をする人たちのことを言う気がします。(僕の現職)
部長: ”たしかに、これで全体が見えたね。!あれ?⅓の新入生に認知してもらうことができているんだね!じゃあここを2倍改善するのもいいけど…”
部長: ”食事会の体験は、ものすごく改善しやすそうだし、食事後の体験での獲得を2倍すると同じぐらい入会者数を見込めるね。”
僕:”じゃあ、入会者が離脱している原因が僕らが暴れているからだと仮定し、暴れないためにお酒をださないというアイデアはどうだろう?
他にも簡易に改善できそうで最終的に入会者数につながりそうなイシューから取り組もう。”
部長:”ここまで、よく僕の意見を素直に聞いてくれてありがとう。君のその素直さは、既存のフレームワークや、経験則、優位性に固執してしまった僕たちのような人では思いつかない新しい発想で社会を変えてくれそうだな。
全体の課題を可視化し、どの課題に取り組むかそしてどのように取り組むかを共有することで、両者納得して意思決定ができるアイデアを決断するところまでたどり着けました。
最初は一見、チラシを配ることがいいアイデアにみえて、その次にはチラシのデザインを変更することが目的に対してベストなアイデアに見えました。
けど、全体を俯瞰してあげることでより優先度がたかいイシューを発見し、目的に対してより理にかなったアイデアを最後に見つけることができましたね。いろんな選択肢がある中で、わざわざこのアイデアを選びましたっていう整理を、部長は欲しかったんですね。
このようになぜそのアイデアが適切なのかを整理し、共有することであなたの意見もより反映されると思います。
それではたま!
参考にしたもの
・起業の科学
・世界一わかりやすい問題解決の授業
・Issue Driven
・Lean Start Up